「最近なんだかつまずきやすいな」と感じたことはありませんか?中年層や高齢者層を中心に、転倒による多くのけがや死亡例が報告されています。驚くべきことに、年間約6,000人もの人が転倒事故で命を落としているのです(2016年統計データ)。これは同年の交通事故の死亡者数よりも多い数字(3,904人)、衝撃的なデータですよね。しかし、これほど大きな被害が出ているにもかかわらず、つまずくことを軽視する人が多いのが現実です。
では、転倒死を防ぐにはどのような取り組みが必要なのでしょうか?転倒死を未然に防ぐには、まず転倒の原因を理解する必要があります。今回は、「つまずきやすい」原因を1つずつ確認していくことにしましょう。
1.下半身の筋力の低下
つまずきやすい原因の1つとして「下半身の筋力の低下」が挙げられます。
下半身の筋肉がきちんと機能していると、歩行の際に脚をしっかり上げることができるので、段差につまずくことはありません。しかし、歳を重ねるにつれ全身の筋力は衰えていきます。これがつまずきの原因です。
多くの高齢者は下半身の筋力が低下し、歩く際に脚を上げることが困難になっています。脚が上がりにくいため、すり足歩行になってしまい、小さな段差などでもつまずいてしまうのです。
また、自分では脚を十分上げているつもりでも、つま先まで上がりきっていないこともあるので、脚の筋力が原因であることに気付かない人も多いでしょう。
運動会の徒競走で、お父さんやお母さんが転んでしまうシーンを見たことはありませんか?実はこれも自分の筋力が低下していることに気付かず、筋力が低下する以前のイメージで走ろうとするため。自分では若いころのように颯爽と脚を高くあげて走っているつもりでも、実際は筋力の低下で脚が上がりきらず転んでしまうのです。
つまずきやすい原因を探るためにも、自分の歩き方を一度確認してみることも大切でしょう。
2.視力の低下
2つめの原因は「視力の低下」です。
正常な視力をもっていると、段差や床に置いてある物などの障害物に気付き、対処することができます。しかし、視力が低下することでそれらの障害物に気付きにくくなり、脚を引っかけて転倒してしまう可能性が高くなります。
視力は老化によって低下しますが、若い人でも網膜剥離といった病気やスポーツ中の外傷などが原因で視力を落としてしまうことも。
普段は眼鏡を着用しているのに、たまたま眼鏡をつけずに歩いていて転倒事故を起こすケースもあるので、目が見えにくい状況ではむやみに歩くことは控えたほうが安全です。例えば、お風呂あがりなどは眼鏡を外していることが多く視力が低下している状況にあります。
こうした状況をあらかじめ想定して気を付けておくのも、転倒防止につながるでしょう。
3.バランス感覚の低下
つまずきやすい原因の3つめは「バランス感覚の低下」です。年齢を重ねるにつれ、三半規管など平衡感覚をつかさどる器官が衰えていきます。
平衡感覚に関係する器官は片足立ちのときにバランスをとる機能をもっていますが、これらの器官の機能低下により片足立ちの際にバランスがとれなくなり、歩きにくくなってしまうのです。
平衡感覚の分かりやすい例として、お酒が挙げられます。
お酒を飲み過ぎてしまうと真っすぐ歩けなくなるのは、アルコールによりこの平衡感覚が麻痺してしまうから。ついつい飲み過ぎてしまい、思わず千鳥足になる、なんて経験がある方も多いかと思いますが、年齢を重ねることでもこれと同じ症状が現れてしまいます。
その結果、段差がない場所でも片足立ちの際にバランスを崩して転倒することがあります。
栄養不足
「栄養不足」もつまずきやすい原因の1つ。ビタミンなどの栄養素の不足が転びやすさに直結することは、さまざまな研究から明らかになっています。これは高齢者のみならず、若者でも同じこと。
例えば、カルシウムは骨を構成する重要な栄養素です。カルシウムの摂取不足により骨密度が低下し、骨粗しょう症などの病気になることもあります。
下半身の骨密度の低下は歩行障害の要因の1つ。また、骨がもろいため、転倒したときの骨折リスクも高まってしまうでしょう。
ビタミンDやKは骨の形成を促進する重要な栄養素です。これら栄養素の摂取は、骨粗しょう症の予防につながります。バランスよく栄養をとって、少しでも「つまずき」のリスクを排除しましょう。
転倒に関係のある病気
「病気の症状」が原因となり、つまずきやすさにつながっているケースも原因の1つです。
つまずきやすくなる症状をもつ病気はたくさんあります。歩行障害をきたす脊髄小脳変性症やパーキンソン病、視力低下を症状とする病気により転倒リスクは高まってしまいます。
さらに、骨粗しょう症は骨がもろくなるので、転倒の際に骨折を起こしやすくなってしまうでしょう。転倒の原因が特定の病気である場合、その病気を治療することが重要です。
病気の中には自覚症状がなかなか現れず、治療が遅くなってしまうことも多いため、転倒などの症状にいち早く気付き、早期発見・早期治療を心がけましょう。
つまずきやすくなる原因を意識しよう
つまずきやすい原因は、さまざまな理由が考えられます。しかし多くの場合、原因は複合的な要素が絡まっており、なかなか症状の改善につながりません。
そんなときは、まず主となる原因を重点的に改善することから始めてみましょう。
原因が特定できない場合は、まずは運動の習慣をつけて体力づくりをすることをおすすめします。時間に余裕がある場合は「転倒予防教室」などの健康教室に参加してみるのもいいでしょう。
健康教室に行く時間がない方には、軟骨の形成を促進する「プロテウォーク」「プロテオEX」など、サプリメントなどを摂取して日常生活からアプローチしてみるのもおすすめです。
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