「最近歩いていると、なんだかつまずきやすいな」と感じることはありませんか?つまずきやすくなる主な原因には、下半身の筋肉の衰えや視力の低下、平衡感覚の低下などが挙げられますが、病気の症状によってつまずきやすくなっていることも考えられます。
原因が特定の病気の場合は、その病気を治療する必要があるため、病気とつまずきやすい症状の関係性を知っておくことが大切です。今回は、転倒につながると考えられる代表的な病気をご紹介するとともに、病気との向き合い方について考えてみましょう。
1.骨粗しょう症
日常生活の中でつまずきやすい症状が現れる病気として、「骨粗しょう症」が挙げられます。
骨粗しょう症は骨のカルシウムが血液に溶け出し、骨に含まれるカルシウム量が減少し骨そのものが弱くなる病気です。
骨粗しょう症はつまずきやすさや転倒といった症状が現れますが、発症すると骨に小さな穴がたくさんできるため、骨折リスクが高まるのもこの病気の恐いところ。
病気は年齢を重ねることで骨密度が低下して発症することが多く、女性ホルモンの分泌量減少が関係することから50代以上の女性に多い病気としても知られています。
また、運動量の低下や食生活といった生活習慣も原因の1つです。
予防法その1~適度な運動~
骨粗しょう症は日常生活を改善することで、予防につなげることができます。予防するにはやはり運動が一番。
とくに転倒予防を意識するのであれば、ウォーキングが一番効果的でしょう。歩くことで下半身の骨に刺激を与え、骨の強化を促進します。
さらにウォーキングは骨のみならず、下半身の筋力強化、全身の血行の促進につながります。
運動を開始する場合は、ゆっくり強度をあげるなど適度な運動を心がけ、骨に対して過度な負担をかけないよう取り組んでみましょう。
予防法その2~禁煙~
喫煙も骨密度を減らす要因として報告されています。たばこに含まれるニコチンは骨の細胞に有毒であり、骨全体の細胞が減ってしまいます。
喫煙そのものがつまずきやすい症状に直接つながるといった報告はされていませんが、骨折のリスクを減らす上では、禁煙や本数を減らすといった喫煙習慣の見直しも重要でしょう。
予防法その3~体重管理~
適正な体重を維持することも重要な予防法の1つ。体重が増えすぎると、主に下半身の骨にかかる負荷が大きくなり、骨を弱めることにつながってしまいます。
また、体重の増加は日常的な運動習慣を遠ざける原因ともなるため、「体重増加→運動が億劫に→体重がさらに増加」という悪循環を生み出すことにも。
逆に体重が軽すぎても、骨に適度な刺激が与えられず、骨形成が不十分となってしまいます。
日頃から自分の適正な体重を維持することで、丈夫な骨作りを意識しましょう!
予防法その4~適切な栄養摂取~
適切な栄養摂取も予防法として効果的でしょう。骨を丈夫にするためには、適切な栄養素の摂取が大事になってきます。
骨を構成するカルシウム、骨の形成を補助するビタミンDやKは骨粗しょう症の予防には欠かせない栄養素です。カルシウムなら乳製品や大豆・小魚など、ビタミンDやKなら鮭やシイタケ・ほうれん草や小松菜などに豊富に含まれています。
最近ではインターネットサイトなどを使って、栄養素が豊富な食材を簡単に調べることができるので、一度チェックしてみるのもおすすめ。
正しい食生活を取り入れることを心がけてみましょう!
2.パーキンソン病
つまずきやすい症状につながる病気として「パーキンソン病」も代表的な疾患の1つです。
パーキンソン病は神経変性疾患の1つで、同じ神経変性疾患の中でもアルツハイマー病についで発症件数の高い難病です。中年以降の発症が多く、とくに高齢者には頻発する病気として知られています。
神経に関する病気なので、歩行の際に神経系がうまく働かず、つまずきやすい症状を引き起こすという考えが一般的。
治療法としては、ドパミン補充療法や抗パーキンソン病薬など、いくつかの治療法が開発されていますが、まずは早期発見が一番大切です。
転倒などの症状を隠すことなく医師に相談すれば、それが早期発見の第一歩になるでしょう。
3.水頭症
「水頭症」は脳脊髄液に関する異常で、頭に髄液が貯留することで脳が圧迫され、脳の機能にマイナスの影響を及ぼす病気です。
主な症状は頭部を中心に起こり、頭痛や視力低下のほか、失明するケースもある重大な疾患の1つに数えられます。この頭痛や視力低下が原因となり、つまずきやすい症状や転倒を引き起こすこともあることから、十分な注意が必要な病気と言えるでしょう。
頭蓋に貯まった髄液を取り除くことが、基本的な治療方針となります。
4.脊髄小脳変性症
「脊髄小脳変性症」は運動失調を伴う神経疾患です。脊髄や小脳の神経細胞が消失することで、神経系の機能を低下させ運動失調を引き起こしてしまいます。
運動失調には歩行障害や眼球運動の異常、震戦(勝手に手が震えるような症状)などが挙げられており、いずれもつまずきやすい症状につながります。
現在、脊髄小脳変性症の根本的な治療法は確立されていません。そのため治療は進行にともなう症状を予防・軽減させる支持療法が基本となります。
また脊髄小脳変性症では徐々に筋力が低下することもあるため、リハビリテーション等を通した筋力維持も大切です。
病気との正しい向き合い方とは?
さて、ここまでつまずきやすい症状につながる代表的な病気を見てきましたが、病気との正しい向き合い方にはどんな点があるのでしょうか?
転倒をしても怪我をしなかった場合、多くの人は家族や医師に相談しません。「自分はまだ若い」「体力には自信がある」「家族に心配されたくない」そんな考えが、転倒による大きな事故を引き起こす可能性もあります。
これまで紹介してきたとおり、つまずきやすい症状は立派な「病気の症状」の1つ。つまずきやすいことを認め、医師に相談することは、原因となる病気の早期発見を可能にしてくれます。
病気や症状に対して正直になることが、大きな転倒事故を防ぐカギと言えるでしょう。
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